こんにちは! ドイ と言います!
今回は将来、飲食店外開業を考えている人に向けて
について実際に店舗経営をしている経験からお話しさせていただきます。
店舗を構えて高い家賃を払いながら仕事をする飲食店にとって物件選びはとても大切なことです。
物件選びを間違えると売り上げに大きく関わります。
この記事では初めて飲食店を始める人に向けて物件選びの考え方を簡潔に説明させていただきます。
物件選びは生命線
はじめに、物件選びについては業態・広さ・席数などある程度のイメージが必要なので、今回は以前の記事
こちらで説明をした店舗を想定して説明します。
物件選びを失敗すると飲食店の成功から大きく離れてしまいます。
外食をする時、人は様々な視点からお店を選びます。
例えば
- お店の雰囲気
- 料理内容
- 価格
- サービスの良し悪し
そして、『お店までの所要時間』と『行き方・道順』です。
この『お店までの所要時間』と『行き方・道順』がとて重要で、この2点について理解を得られなければお店を選ぶ選択肢からまず外れます。
後で説明しますが特にオフィス立地では仕事帰りに寄ることができる、帰り道の動線にお店があることで集客に大きく差が出てきます。
また商業施設へ向かうまでの動線にある、という点も非常に大切です。
外食を目的として外出するのであれば動線はあまり気になりませんが、仕事帰りや買い物帰りに食事をすると考えると通る道にお店があるということは重要です。
人通りという視点でいうと
- 昼間・夜間
- 平日・週末
によって人通りに変化があり、売り上げ予測を立てる前提にもなります。
人通りというのはすぐに変わるものではありません。
人が歩く道から離れた場所にお店を構えるということは、自分のお店を目的として来ていただくことになります。
これは数ある飲食店の競合から選んでもらうということで、簡単なことではありません。
もちろん良いお店をつくることは大前提ですが、その前に人が集まる場所を把握し戦略を立てる物件選びがまずは優先となります。
人がいない場所に信用・財産がないお店を出店することは自殺行為と考えてもおかしくないです。
それほど飲食店を成功させるための物件選びは大切な作業です。
ターゲットから物件を選ぶ
物件を選ぶ時の注意点、次は
ターゲットから物件を探すことです。
物件を決めてからターゲットを決めるのは逆です。
自分がやりたいお店はこんなお店、というのは必ずあるはずです。
お店に来店するお客様はどんな人か
- 女性・男性(比率)
- 年齢
- 仕事帰り・家族との食事
- 利用人数
などの観点からターゲットが利用しやすい場所を選んでください。
物件を決めてから店を作りあげることは、今までの経験を最大に生かすことができないことにもなりかねません。
調理経験やマネジメント経験からターゲットを絞り、料理内容や店舗雰囲気を決め、そんなお店を実現できる場所を探す、この順番が大切です。
飲食店成功への道でターゲットを明確にすることは最重要となります。
ターゲットを中心にすべてが決まっていきます。
お店を開業してからターゲットの客層が全然違う場合は赤信号です。
何かがズレてしまっているので考え直し、改善が必要です。
ターゲットから客単価を考える
次はターゲットに対しての客単価です。
売上は『客数』×『客単価』とシンプルです。
お店を続けていく中で客数に変化はあっても客単価は極力変化がないようにします。
客数はお店の評価として目に見えて結果として現れます。
客単価は経営側のちょっとした裁量で変化します。
そして客単価の変化はターゲットを大きく変化させ、下がるのであればまだいいですが、無策な単価アップほどお客様の反感をかうことはありません。
100円の単価が変わると客層も一気に変化します。
開業前にしっかりと調査を行い、ターゲットに対して客単価を決め、在庫管理・調理方法・提供する料理・サービスをよく考える必要があります。
想定内の客単価に合わせることがブレない強いお店をつくりあげます。
客単価の設定で一番有効な考え方は競合店をみることです。
開業する場所の近隣店舗はどのような客層でどのくらいのお金を使っているのかを自分で実際にお店に行き、お客様として実感し調査することが大切です。
需要に対しての供給をしなければ、どれだけ「これはいいものだ」と自信があっても決して売れることはありません。
適正家賃
今回の想定店舗は20坪、20~25席です。
基本的に家賃の適正価格は売上の10%未満といわれます。
150万/月の売上なら家賃は15万円ということです。
20坪15万円の家賃なら坪単価 → 7500円/坪となります。
上記店舗の場合の売上計画
150万/月の売上を達成するには
- 日数 → 25日(週1日定休日)
- 客数 → 15名/日
- 客単価 → 4000円/名
- 25日 ×(15名×4000円)= 150万
単純計算ではこのようになります。
どれくらいの広さで、客席は何席用意し、ターゲットに対する客単価を立て、1日の売上計画を算出して月間売上計画から適正家賃を決める。
そして、算出した家賃にあう物件を探します。
売上計画に関しては細かな算出方法がありますが今回は触れずにいきます。
今後、事業計画書の作り方も記事にしていく予定です。
その中で収支計画や資金調達なども説明していきます。
立地
立地は大きく2つあります。
『駅近物件』と『郊外』です。
この2つについて特徴を説明していきます。
駅近物件・オフィス立地
駅近物件は駅から徒歩10分以内が妥当です。
駅の近くには比較的オフィスが多く、お昼にはランチ、夜には仕事帰りの会社員が主にターゲットになり集客が見込めます。
しかし、当然家賃は高くなるので売上予測からの適正家賃の算出が重要となります。
オフィス街にはビルのテナントも多く階層によっても家賃の高い、安いがあり
集客に関しても差があり特徴があります。
家賃 | 集客 | 特徴 | |
1階 | × | ◎ | 新規客が見込める |
2階 | △ | 〇 | 隠れ家的要素 |
3階以上 | 〇 | △ | 隠れ家的要素 |
地下 | 〇 | △ | 閉鎖間がある |
何階を選択してもメリット・デメリットはあります。
大切なことはお店のコンセプトにあった場所を選ぶということです。
1階は店内が見えて入りやすい面、家賃は高く、お客様が入ってなければ逆に入りにくくもなります。
2階以上は店内が見えない分、初めてのお客様は入りづらいが常連様がつくと隠れ家的な場所となり特別感も出ます。
地下は閉鎖間もあり店内が見えない分、集客が難しくなるが家賃は比較的安めが多いです。
例えば高級なレストランであれば上層階を選び特別な空間を演出することが集客につながります。
回転数を上げるなら入りやすい1階を選ぶなど業態・業種によっても選び方は変わるのでよく調査しお店のコンセプトに合った物件を選ぶようにしましょう。
郊外・住宅地
郊外物件は車で15分以内が妥当です。
ターゲットは
- ランチ → ママ友・主婦、週末には家族連れ
- ディナー → 家族連れ、買い物帰りの夕食
家賃は安い物件が多いですが、集客に関しては駅近に比べて難しくなります。
そして集客に関してもっとも大切なことは駐車場の有無です。
車での来店が多く、家族連れがターゲットになる郊外は駐車場が必須です。
近くに有料の駐車場があるから大丈夫ではなく、駐車場料金を負担するとなると来店動機に大きな障害となります。
駐車場により多少固定費が上がっても駐車場は必ず設けるようにしましょう。
居抜きとスケルトン
物件探しによる初期費用として大きな費用となるのが内装工事です。
費用の詳細に関しては【個人飲食店のデメリット】で説明していますので、そちらをご覧いただければ幸いです。
居抜きとスケルトンではかかる費用が全く違います。
20坪ほどの物件では居抜きとスケルトンで約500~600万、差が出ることもあります。
メリット・デメリットは以下のようになります。
メリット | デメリット | |
居抜き | 初期費用を低く押さえられる
設備が整っているので早く開業ができ、売上につながる |
新店舗としての新鮮さがでない
前店舗撤退の内容によっては固定概念があり集客減となる |
スケルトン | イメージ通りの設計・内装をつくることができる
居抜きによる物件とは違いお客様の固定概念がない |
初期費用が高くなる
内装工事中も家賃が発生する |
はじめての独立開業となるとスケルトンから自分の思うように内装をつくりあげ、イメージ通りにお店を持ちたいと思うことは当然です。
わたしもそうでした。
しかし、費用の面で計画より予算オーバーしているのであれば
迷うことなく居抜きを選ぶべきです。
または開業日を変更し費用を貯めて、改めてスケルトンで開業するべきです。
飲食店開業による一番の失敗は『初期投資』です。
独立することにより初期費用をかけすぎたため返済が困難となり撤退となるパターンが非常に多いです。
できる限り初期費用はおさえ、家賃などの固定費をおさえることが成功への第一歩です。
物件選びは成功への第一歩です。
慎重に選び納得のいく物件を探し、計画通りに進められることを願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後も飲食での独立開業を目指す人にむけて情報を発信していきます。
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わたしは独学で合格を勝ち取りました。
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