こんにちは! ドイ と言います!
今回は、飲食店外開業を考えている人に向けて
について実際に店舗経営をしている経験からお話します。
飲食店開業は初期投資が高く、ハイリスクな事業です。
資金目途が立たなければ開業に至っても継続は難しくなり、廃業・閉店となります。
開店早々、成功させる自信がどれだけあっても最悪の状況を想定して十分な資金を調達し開業することをおすすめします。
この記事では資金調達までのポイントを絞って説明していきます。
この記事を見るとこんなことが分かります。
- 開業資金の重要性
- 資金調達の方法
- 資金不足での開業リスク
資金調達の重要性
資金調達は経営者としての大切なスキル
ビジネスをはじめる前提として資金が必要となります。
パソコ一つではじめることができるリスクが非常に低いビジネスもありますが、それでも軌道に乗るまでの運転資金、生活費などある程度の資金は必ず必要となります。
資金を集めることができなければ事業を展開することは難しくなります。
飲食店での企業を考えた時、調理技術、接客技術、店舗管理など様々なスキルが必要となりますが、まずは資金繰りに対しての知識を身につけることが最優先事項となります。
生活する上で食事は『消費』・『浪費』どちらにも属しますが、外食は『浪費』よりになり、経済の悪化や情勢により大きく事業に影響を与えます。
給料が下がった時、不景気になれば『浪費』が節約対象となり、売上に影響を与え資金繰りが一気に苦しくなるのが飲食店です。
そのためにも余剰資金を準備しておく必要があります。
もう一つは設備投資や新店舗開業など、攻めるための資金が必要です。
金融機関は前向きな融資に関しては全面的に協力をしてくれます。
逆に守りに入った時の融資にはきびしくなります。
しかし、経営が順調にいかない時に資金を用意できる経営者こそが、強い経営者であり厳しい世の中を生き抜いていきます。
資金を常に用意できるような経営者になるためにも『資金調達スキル』を身につけてください。
創業融資は実績、信用がないから難しい
わたしは創業融資を含め4度融資を受けました。
その中で一番難しかったのが創業融資です。
金融機関からすれば創業前なので実力、返済能力が分からない状態で融資を行うのはリスクがあると判断されます。
そこで必要なのが『創業計画書』です。
後述しますが『創業計画書』または『事業計画書』がなければ事業展開をしていくことは不可能だとわたしは考えています。
逆に事業計画書があれば、あとは方向性を間違わないように常に見直しながら実行するだけです。
金融機関も創業計画書が現実性のあるものであれば必ず融資をしてくれます。
創業計画書は開業資金を調達するための非常に重要なものです。実績・信用がない人にとって武器となるので力を入れてつくりましょう。
半年~1年前に準備をはじめる
融資申請から実行までは約2週間~1ヵ月ほどが目安です。
しかし融資を受けるための準備は最低でも半年前から始めてください。
飲食店開業の創業融資を受けるには物件取得から事業内容の構築、開業後の収支計画などすべてを計画に落とし込み申請しなくてはなりません。
そのためには遅くても半年前から行動しなくては納得のいく準備ができないでしょう。
特に物件に関しては自分が思うような物件に出会うのは難しいです。
期間に余裕をもって不動産会社と付き合いながら探していくことになります。
不動産も独立に対しての熱意や本気を伝えれば親身になって相談にのってくれます。
そうすれば良い物件が空きそうな時など、公にする前に話をもってきてくれたりします。
開業前も開業後も取引業者とは長く付き合いが続き、力を貸してくれる存在となるのでその場だけの仕事関係でなく、長い目で見た関係性を気づけるように心がけてください。
金融機関は余剰資金のために融資はしない
融資を受ける際にできれば多めに融資を受けたいと思う気持ちは分かります。
しかし、資金調達額に余裕をもって融資申請を行い、計画性に根拠がないと判断された場合は減額どころか融資を断られるケースもあります。
自分が描く計画に自信がないから余剰資金が必要と判断される恐れがあります。
余剰資金はできる限り自己資金で用意し、設備費用に融資をしてもらえるように計画を立てることをおすすめします。
自己資金も十分にあり、計画性も現実性のあるものであれば金融機関側からも融資金額を上乗せする提案をいただくこともあります。
根拠のある説明を自分の言葉でできるように十分な準備をしてください。
資金調達先
飲食店開業の資金調達先としては
- 自己資金
- 身内からの借入
- 日本政策金融公庫
- 信用金庫
大きくこの4点になります。
ー自己資金ー
自分で用意できる資金。できれば必要資金の3分の1は用意したいところです。
1000万円必要なら最低でも300万円用意します。
ー身内からの借入ー
自己資金が不足していると融資を断られることがあります。独立する時、できれば自分の力だけで独立をしたいと考える人は多いですが、最終的に頼るのは身内になります。身内に独立を否定されるのであれば考え直すことも必要かもしれません。リスクを伴う独立ですが話をして納得してもらい、気持ちよく挑戦することも大切なことです。その上で身内からお金を借ります。友人からという考えもありますが、今後の付き合いのことを考えるとあまりおすすめできません。また友人との共同出資経営もおすすめしません。事業が順調に成長している時はいいのですが、業績が悪化すると途端に関係が悪くなることが多々あります。責任の擦り付け合いが始まります。そうなると修正していくのは非常に難しい問題となるので、まずは小さく一人ではじめることがリスク軽減にもなります。
ー日本政策金融公庫ー
個人で独立を考えるのであれば、日本政策金融公庫に相談が不可欠です。公庫は100%国の出資からなる公的機関となり、個人事業主・中小企業に対して融資を積極的に行うことが目的でつくられました。また、公庫の融資を受けることができれば民間の金融機関からも融資を受けやすくなります。公庫の審査基準をクリアしているのであれば安心ということです。金利に関しても民間金融機関より低く設定されています。
ー信用金庫ー
地域密着の金融機関です。主に個人事業主や中小企業に寄り添ってくれる力強い機関です。特に個人事業主であれば必ず取引することをおすすめします。開業後、取引先との支払い口座として開いておくと長く付き合いもでき、補助金や助成金の案内も積極的にしてくれます。また信用金庫は地域活性化を念頭に置く組織でもあるので独立・開業に対しても親身になって相談にのってくれるでしょう。融資を受ける際は信用保証協会を通しての制度融資が基本となります。
創業計画書
前述でも説明した通り創業計画書・事業計画書なくして融資を受けることはできません。
逆に事業計画書が根拠あるもので自分の言葉で説明することができれば、融資実行に大きく近づくことができます。
『創業計画書の作り方/考え方』については別記事でまとめさせていただきます。
ここでは創業計画書の全体像をお話します。
『計画書に最低限必要な項目』は以下です。
- 創業動機
- 経営者の略歴
- 商品・サービス内容
- 取引先(ターゲット)
- 仕入先
- 従業員・雇用人数
- 借入状況
- 必要な資金額
- 事業の見通しと根拠
上記項目は必ず入れてください。
日本政策金融公庫の公式ホームページにも書式が掲載してあります。サイト内検索欄に「創業計画書」と入力し検索すればダウンロードページにアクセスできます。
特に重要な項目は『必要な資金額』と『事業の見通しと根拠』の整合性です。
「これだけの資金があれば、これだけの売上・利益を見込め、返済も滞ることはありません。」
と説明できなければなりません。
『必要な資金額』は大きく分けて
『設備資金』と『運転資金』になります。
ー設備資金ー
- 物件取得費
- 改装費
- 食材費
- 備品・消耗品
- 機器類
- 広告費
- メニュー作成費
- 事務費
飲食店の場合、おおよその設備資金は坪単価50万~60万が目安です。
20坪なら約1000万円です。
ー運転資金ー
- 毎月の最低売上の場合の赤字分×6ヵ月分
例えば) - 最低売上→100万
- 経費→120万
- 赤字→100万-120万=20万
- 運転資金→20万×6ヵ月分=120万
運転資金は必ず最低の見込み売上を算出し、計算してください。
運転資金はもっとも悪い状況をイメージし、準備することにより保険にもなります。
安易にこれぐらいの売上はいけるだろう、と予測することは非常に危険です。
客数・客単価・回転率・曜日ごとの客数変動など、分析と予測を立て根拠ある売上を算出してください。
事業計画書は融資を得るためにも必要ですが、事業をうまく進めていくための羅針盤になるので一つひとつの項目に根拠を入れながら時間をかけてでも作成してください。
物件探し
創業融資を申請する際には事業を行う物件契約の書類が必要です。
不動産屋・大家さんと契約を結んだ書面を提出しなければ融資申し込みができません。
「融資を受けてないのに先に契約をするの?」と思うかもしれません。
わたしもそうでした。
しかし、申請の手順は残念ながらそうなります。
金融機関からすれば事業を本当に行うか分からない人にお金を貸すことはできない。ということです。
融資額を決めてから物件を探すことはできません。
事業計画書をつくり、物件を決めて、このように事業展開をするので絶対にこの金額の融資が必要です。と熱意、計画をもって申請することが大切です。
物件探しの考え方は以下の記事をご覧ください。
物件選びを間違えると、取り返しのつかないことになります。
融資申請
創業計画書の準備ができ物件契約ができたら実際に融資申請です。
申請には『日本政策金融公庫』と『信用金庫』がおすすめと話しました。
融資申請は各窓口へ同時に申請することをおすすめします。
融資担当者には計画書を元に資金調達先を明確に説明します。
「公庫にいくら、信用金庫にいくら、自己資金を合わせて〇〇〇円必要です。」と話を進めていきます。
今後事業展開をする上で両方と取引があることはメリットにもなります。
金融機関からしても他にも融資先があるというのは保険にもなり、融資実行の判断材料にもなります。
追加融資の場合にも公庫がだめでも、信用金庫は融資してくれるケースまた逆も多々あります。
必要書類を提出後、実際に融資担当者との面談になります。
大前提は根拠のある計画書を提出することですが、担当者も人間です。そして融資担当者は何とか融資をしたいと考えているものなので、熱意をもって話をし納得してもらえれば融資をしてくれます。
計画書に多少の抜けがあっても、面談時に説明できれば必ず理解していただけます。よくないのは嘘をついたり、ごまかしたりすることです。
融資担当者は人を見極めるプロでもあるので、本気かどうかはすぐに見抜きます。
融資担当者がみるポイントは『経営者の資質』『数値分析能力』『向上心があるか』『財政状態』『収支見通し』を主に面談で確認しています。
特に経営者になる上で数値分析ができることは大事なポイントとして考えています。
どんぶり勘定で勢いだけで乗り切ろうとする経営者にはなかなか融資をしてくれません。
数値分析にどうしても自身がない人は最寄りの商工会議所に相談し、融資申請を進めることも手段としてあります。
商工会議所は個人事業主や企業、地方を盛り上げ、活気づけるために設立された組織です。
基本的に会員制となりますが、無料相談も受けているので一度相談することも選択の一つです。
ただ、丸投げは絶対にしてはいけません。
事業計画書は自分で悩んで時間をかけてつくるから意味があり、誰かに作ってもらった計画書には意味がありません。
本当に苦しくなった時に他人が作った計画書を信じて実行できますか?
アドバイスをもらったり、考え方を教わることは大切ですが中身をつくるのは自分自身です。
コンサルタントに相談という方法もありますが、頼りないコンサルタントが多いのも現実です。
信頼できるコンサルがいるのであれば相談からしてみるのもいいですが、当てがないのであればまずは自分で考え計画を立てることをおすすめします。
商工会議所に限らず公庫でも無料で相談を受けたり、セミナーなども開催しているので調べてみることも大切です。
書店でも参考になる本がたくさんあります。
1点だけおすすめ書籍を紹介します。
こちらは元日本政策金融公庫の方が融資までの流れや注意点を分かりやすくまとめた書籍です。
実例なども踏まえて説明されており、とても分かりやすい内容です。
融資結果
面談中にある程度の融資見込額などを説明してくれる場合もあります。
その時に希望通りの融資額になりそうでない場合は、どうすれば希望通りに融資してもらえるかをその場で融資担当者に確認し、改めて申請することも考える必要があります。
再度申請を行った上でやはり希望通りの融資が通らなければ開業の時期を遅らせる判断をすることも視野に入れて考えてください。
希望額の融資が受けられず、例えば運転資金がないままお店をオープンして初月から赤字となれば即閉店という事態になる可能性もあります。
常に最悪のシナリオを考え、行動することがリスクヘッジになります。
はじめに説明しました通り飲食店開業は初期投資が比較的に大きい事業となり、資金調達がとても重要となります。
資金調達の手順や重要ポイントを理解することは今後の事業にも必ず活かせるスキルとなるので、よく悩んで自分の納得いく形でスタートできるようにしてください。
長くなりましたが
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後も飲食での独立開業を目指す人にむけて情報を発信していきます。
ご質問がございましたらお気軽に「お問い合せ」よりご連絡ください!
また、2021年「ソムリエ試験」を目指している人へ。
わたしは独学で合格を勝ち取りました。
勉強方法や考え方などを別記事でまとめてあります。よろしければご覧ください!