【マーケティング/ 重要な5つのポイント】

こんにちは!ドイと言います!

この記事ではマーケティングについてお話します。

内容に入る前に今回、参考にさせていただた書籍はこちら

『売れる会社のすごい仕組み 明日から使えるマーケティング戦略』
著者:佐藤義典 出版社:株式会社青春出版社

物語を題材にとても分かりやすく、何度でも読み返す必要がある書籍です。

佐藤義典さんは他にも本を書いてます。是非、手にとっていただければと思います。

こちらの書籍を中心にわたしの今までの経験や知識を合わせながらまとめました。

こちらの書籍を直接読んでいただければマーケティングについて詳しく丁寧に書かれていますが、細部まで細かく説明されており、わたし自信、自分の中に落とし込むまでの整理に時間をかなりかけました。

この記事ではマーケティングの入口として理解を得るために書きました。

難しく途中で理解するのをやめたくならないように、読み進めてもらえればと思います。

マーケティングの考え方に方向性はあっても確かな正解はないと思います。

正解があれば誰もが成功しているはずです。世の中の変化に合わせて需要も変化し求める内容、価値が変化するからこそ新たな考え方が生まれます。

この記事が参考になれば幸いです。


 

この記事はこんな人に読んでいただきたいです

  • マーケティングのことを理解したい
  • ビジネスにおいて結果を出したい
  • 売れる仕組みをつくりたい

マーケティングのことを理解し実行に移すことができる人は少ないと思います。

私自身も実際、何も分かっていない状態から飲食業界に入り、経験・知識を積みながら自分のお店をもちました。

自分のお店をもってからも試行錯誤の日々であり、現在もこれが正解なのかは分かりません。

冒頭でもお話ししましたが、世の中は日々変化し、求める価値も常に変化しています。

そんな中でこの方法が必ず正解であり、成功するという保証は誰ももてないと思います。

変化に対して柔軟に対応し、マーケティングの本質を理解している人が結果を出せるのだと思います。

 

この記事を読めば、マーケティングの考え方=方向性について理解していただけます。

重要な5つのポイントを中心に説明していきます。

日々変わる世の中の変化に対して戦略を微調整しながらブレることなく進めていくことが、生き抜くために必要なスキルになります。

世の中に必要とされるビジネスを生み出す「仕組み」をつくり、その「仕組み」を考える能力こそが一番大切なことだと思います。

是非、最後まで読んでください。

マーケティングとは

一言で表すと

顧客、消費者が求める価値を提供するための戦略から仕組みを作り上げ実行すること

マーケティングにとって重要なことは「一貫性」と「具体性」です

上記の一言を実現させるためにいくつもの項目に細分化し、一つひとつ分析することにより今やるべきことが明確になります。

やるべきことが分かれば仕組みとして実現するために数字で目標を表し、具体性をもたせることが大切です。

そして、各項目に数値的な目標が明確になれば他の項目とのつながりを確認し、一貫性をもたせなくてはなりません。

マーケティングを表現するためにすべての項目をつなげ、連動させることにより何をやるにしても結果が次へとつながり、矛盾を生むようなことがなくなります。

一貫性のサイクルが回りだせば新しい事をはじめるときも違和感なく取り組むことができます。

一貫性がなく違和感を感じれば、それは今回のビジネスに合わなかったと判断できます。

売れるための仕組みを描き、実行し、結果を評価する。そして仕組みに修正があれば見直しまた実行する。この繰り返しでまた新たに戦略が思い浮かび仕組みを考えることができます。

マーケティングとは常に仕組みを客観的に見直し、柔軟に対応できるかが重要です。

仕組みを実行し続ける上で問題は必ず生じます。

問題が発生したら原因を考え、仕組みを見直しまた実行の繰り返しです。その繰り返しを素早く行うためにもマーケティングの考え方と仕組みについて考えていきましょう。

「仕組み」をつくる能力を身につければ色々な場面で対応できる力が付き、乗り越えることができます。

 

重要①お客様が求める価値=ベネフィット

私は飲食店経営をしているため、この記事での具体例では飲食店と照らし合わせて例を出すことが多くなります。

お客様が求める価値=ベネフィットとは

例えばレストランでは料理を提供します。

お客様は料理を食べにお店に来るわけですが、「料理を食べにレストランへ来る」という行為に求める「顧客にとっての価値=ベネフィット」は

料理を食べることにより
・美味しいという満足感を得る
・体に必要な栄養を摂取する
・友人、家族との時間を大切にする
・ストレスの発散

など、人それぞれであり、これがお店へ料理を食べに行く価値=ベネフィットになります。

お客様は「料理を食べる」という行動を買いに来るのでなく、料理を食べる行動によってその後ろにある価値=ベネフィットを求めていることを意識する必要があります。

ビジネスを始める時にこの商品、サービスを提供することにより、「どのような価値を提供できる」かを考える思考を常にもつようにしてください。

顧客にとっての価値(ベネフィット)は2つに分けられます
【物理的な価値の「機能的ベネフィット」】
例)早い、便利、うまい
【情緒的な価値の「情緒的ベネフィット」】
例)優越感、特別扱い、思い出、記念
そして価値の源は3つの欲求に分けられます
【自己欲求】
例)自分の思うようにしたい、自己完結する欲求
【社会的欲求】
例)他人との関係においてよく思われたい
【生存的欲求】
例)行きたい、肉体的な快楽

提供する商品、サービスを考える時に「顧客にとっての価値」と「欲求」を照らし合わせながら考えることはとても重要です。

商品、サービスを決めてから「価値」を決めてもいいですが、無理矢理「欲求」につなげてしまう場合があるので、そこは注意してください。

マーケティングで大切なのは「一貫性」です。

追及している商品の源がズレないように常に確認することは怠らないようにしてください。

重要②戦略

顧客が求める「価値」が明確に分かれば次は「価値」を表現するために戦略を立てる必要があります。

戦略は大きく分けて次の5つから構成されます
【戦場と競合】
【強みと差別化】
【独自資源】
【顧客ターゲット】
【メッセージ】

一つひとつを分解して丁寧に作り上げることが大切です。

何か新しいことをはじめる時に準備は必要であり、準備を怠れば大きな失敗につながることはよくあります。

飲食店に例えるとオープン初日、スタッフは予定の1.5倍の人数を揃えた

これでお客様がたくさん来店しても対応できる!と考えます。

しかし、現実はスタッフの数の割に予定通り料理が提供されません。

原因は人員を揃える以外の準備不足、営業のイメージができていない、さらに店長の頭の中では営業のイメージができていてもスタッフに伝わってなくズレが生じます。

「戦略」を立てることにより

商品、サービスの魅力を最大限に伝える流れを把握し、顧客に確実に伝えることができます。

100%の準備をする必要はありません。

80%の完成度で走り出し、走りながら微調整を加え、改善を繰り返すことができれば成果につながります。

100%になるまで走り出せなくては、いつになっても走れません。

ビジネスの世界では「走りながら、考える」というスタンスはとても重要です。

「戦略」を立てることにより大きな方向性は間違えないように気をつけ、致命傷となる大きな失敗は避けながら、小さな失敗を繰り返し成長していきましょう。

以下、5つの戦略により大きな失敗は防げます。

順番に見ていきましょう。

戦場と競合

「戦場」とは「顧客にとっての価値」
「競合」とは「顧客にとっての価値を生み出す選択肢」

例)かっぱ寿司の場合
競合はスシロー、くら寿司などが思い浮かびます。このときの戦場は「手軽なお寿司の食事」となります。これが顧客がかっぱ寿司に求める価値です。

さらにかっぱ寿司はファミレスとも競合します。このときの戦場は「家族で美味しい食事」かもしれません。

また吉野家との競合なら戦場は「ビジネスマンの一人ランチ、早い、うまい」になります。

このようにかっぱ寿司の戦場と競合というのは「顧客がそのお店に求める価値」によって変わります。

戦場と競合は顧客が決めることになります。

このことを前提に今、お店を経営している人は自分のお店の戦場と競合は何かを考え改めて見直してみるとたくさんの発見があるはずです。

また、これからお店をはじめる人はどんな戦場で、どの競合と競い合うかを明確にする必要があります。

飲食店をはじめる前にこんな料理で、こういう内装で、と先に考えてしまう気持ちはとても分かります。しかし料理・内装という表面的なことを考える前に「顧客が求めている価値」に基づいた形を考えていただければ、よりイメージが湧いてくると思います。

その答えを出すことができるのが、徹底的に戦場と競合を考えることです。

「顧客が求める価値」について出た答えであれば料理も内装もきっとお客様に届くはずです。

強みと差別化

「強みと差別化」とは「顧客が他社の商品、サービスを選ぶのではなく自社を選ぶ時の理由」

次の項目で説明する「独自資源」と「強みと差別化」は繋げて考えていただくと理解しやすくなります。

自社の「強みと差別化」を表現、または強化するためには強力な「独自資源」が必要になります。

「独自資源」が強ければ強いほど競合との差別化は大きくなります。

例)スシローの場合
回転ずし大手のスシローのお寿司は一皿税込110円(2021年スシローHPより)で提供されています。

これは低価格という強みを活かして一般的なお寿司屋さんとの差別化を実現しています。

そして低価格を実現するためのスシローの「独自資源」が国内500を超える店舗数です(2021年スシローHPより)

大量に仕入れることにより原価を押さえる。またお寿司を仕上げるまでの生産工程の仕組みや、使用する機器によって商品クオリティの安定化やスピード提供を実現しています。

この生産工程の仕組みや使用する機器も「独自資源」となりす。

さらに「強みと差別化」を「3つの軸」分けることができます
【手軽軸】

【商品軸】
【密着軸】

【手軽軸】とは:安い、早い、便利
スシローに例えると、上記で説明した低価格。税込110円の安さ、仕組や機器による早い提供、国道添いなど入りやすい場所に店舗があり駐車場も広く便利。

【商品軸】とは:高品質、新技術
品質や技術力をメインとする商品軸。飲食店に例えると高級レストラン。原価の高い食材を使い、一流のシェフが高価な調理器具を使用することにより美味しい料理を仕上げる。

【密着軸】とは:顧客のニーズに対して柔軟に対応
顧客一人ひとりに対してその人が求める対応をする。飲食店に例えると夫婦2人で営む小さな個人店。常連様が多く、名前で呼ぶような親密な関係。料理の好みや来店する日や時間帯、座る席など何も言わなくても求めていることが分かり、自然と求めている価値を提供する。

【手軽軸】【商品軸】【密着軸】は業種や業態、競合によって何を重視するかは変わります。

重要なことは「独自資源」を最大限に活かすことで「強みと差別化」を強化でき、「顧客が他社の商品、サービスを選ぶのではなく自社を選ぶ時の理由」にしてもらうことです。

●これからお店をされる人は「競合」に対しての「差別化」をどのような「独自資源」からつくるのかを考えていただき、
●お店をされている人は自店の「独自資源」は何かを改めて考え「競合」に対してどのような「差別化」ができているか考えてみてください

 

「3つの軸」から「強みと差別化」を考える時の注意点があります。

「手軽軸」「商品軸」「密着軸」の失敗

「手軽軸」の失敗
早い、安い、便利の安いに注目して客数を上げ、売上を向上させる方法があります。例えば割引券を配り一人当たりの飲食代を下げ、お客様に来店してもうら方法です。たまに割引券を配布してお客様の来店動機を促すことは良いですが、これが毎回になるとお客様は割引券を配布する日にしか来てくれなくなります。最悪な場合は来店して「割引券くれない?」「お会計時に割引して」と言うお客様が増えます。こうなってしまうと割引しないと来店してもらえなくなります。割引、値引きという手法にはまらないように注意してください。

「商品軸」の失敗
例えばレストランで本場の料理という名目で商品をアピールしていたとします。お店側はこだわりがつよく、「この本場の料理はこのような味付けなので、このように食べてください」と半分強制する時です。こだわりがあり本当の味を伝えたい、知ってもらいたいと思うのは分かりますが、お客様にとっての味覚はそれぞれで食べ方も色々です。楽しく、美味しく食事をすることがお客様の満足になります。ナイフとフォークでなくお箸で食べたいのであればお箸を用意し、醤油をかけて食べたいのであれば醤油を用意する。何でも受け入れる、ということではありませんがお客様に強制を強いれるスタイルになっていないか注意が必要です。

「密着軸」の失敗
従業員、スタッフによって気づきは違います。密着軸はお客様に対して柔軟に対応することにより、競合との差別化をはかります。従業員みんながA様というお客様に対して同じように柔軟な対応がきるかというと難しくなります。A様がご来店して「〇〇さんいる?」と聞かれ今日は休みです。と伝えた時「じゃまた来るね」と言われ帰られると赤信号です。もちろん従業員の誰かに会いにくるお客様もいますが、それだけを目当てで来店をするということは商品やお店の雰囲気という、本来お客様に伝えたい部分が伝わっていないとも捉えることができます。従業員みんなで密着軸をつくることが大切です。そのためには差がでない「仕組み」をつくることが重要となります。

どれかの軸を追及することは大切ですが、良いか悪いかを判断するのはお客様です。いつでも顧客にとっての価値は何か、照らし合わせて考えてみてください。

独自資源

「独自資源」とは「強みと差別化を長期的に可能にする源泉」

「独自資源」は競合にマネされにくい、ということが重要です。

簡単にマネされるようでは独自の資源とは言いません。

飲食店で例えると、

近くに自店と同じような業態のお店が新規出店しました。

その新店は自店の看板メニューをマネして販売促進を行っています。

自店の差別化軸が「商品軸」であり看板メニューで勝負をしていて自身があるのであれば、見た目だけをマネされたメニューは気にする必要はありません。

お客様も一度は食べに行くかもしれませんが、比較した時「やっぱりあっちが美味しい」と思っていただき、戻ってきます。そして競合に残る印象は「マネをしただけ」という不信感です。

ここで看板メニューに自信がなく、お客様も戻ってこなければ、それは「独自資源」ではなかったと思い、見直しが必要です。

SNSが普及した現在では競合の商品やサービスが気になり、自店でも取り入れようと考えることがありますが、安易に独自の資源をマネることは自分の首を絞めることにもなるので十分に注意が必要です。

改めて自社の「強みと差別化」そして「独自資源」は何かを考えてみてください。

何でもかんでも取り入れて、何をしたいのかが分からなくなっては本末転倒になり、お客様から見ても魅力を感じないお店になります。

自店の「独自資源」に自信をもち、簡単に「独自資源」を手放すものではなく、また安易にマネるものではありません。

「独自資源」は簡単に完成するものではありません。

また「独自資源」はお店を営む中で生まれる場合もあります。

オープン前から明確に決めておくことも重要ですが、世の中の変化に合わせて柔軟に対応する過程により、自然と生まれた「独自資源」に気づけばそれは育てる価値が必ずあります。

さらに新たな気づきの「独自資源」というのは顧客、お客様から教えていただくことが多いです。

なぜならお客様は価値を求めて来店するからです。

その価値はお客様によって違います。

お客様をよく観察して「なぜ当店に来るのかな?」と考えることは新たな進化に繋がります。

壁に当たった時は常にお客様へ戻るが答えです。

「独自資源」の考え方に単体でなく、いくつかの資源を掛け合わせてつくる方法もあります。

当店では私がシェフでありソムリエです。

シェフとソムリエを兼任することにより料理をつくる時にワインのことを考え味付けをし、ワインを選ぶ。そして、お客様へ直接提供して自分で料理とワインの説明をする。

料理人とソムリエ、そして接客まで行うのは「独自資源」として通用します。

掛け合わせを考えることは様々な場面で使えるので、自社でも可能性がある当たらな「独自資源」を探ってみてください。

一人でなく従業員やお客様を巻き込んで考えると面白い「独自資源」の発見があったりします。

顧客ターゲット

自社の商品・サービスと顧客が相思相愛の関係になっている

ということです。

お客様が求める価値を提供するためにマーケティングを考えます。

顧客の考えこそが戦略の中心にならなくてはなりません。

自社が提供する価値は顧客に届いているのか、また必要とされる可能性はどれぐらいあるのか予測と計画を立てます。

そしてその価値はどのような顧客に届けるべきなのかを考え、より具体的にターゲットを絞ることが大切です。

例えば女性の場合
・何歳
・20代なら学生、会社員
・会社員ならどんな仕事をしている
・交通機関は何をつかう
・既婚、未婚
・子供がいる、いない

顧客によって伝える価値、強みや商品、販促方法、価格などは変わります。

間口を広めてターゲットを考える戦略もあります。しかし多くは業界大手の資金力に押されてしまいます。

中小、個人事業が差別化をするには資金力では簡単にマネできない戦略を考える必要があります。

その答えを出してくれるのが具体的なターゲットでもあります。

「ターゲットは誰ですか?」の質問にはっきりと答えられないのは、何をやるべきかが定まってないのと同じです。

一つひとつを丁寧に分析し一貫性のとれた戦略とターゲットを考えていきましょう。

メッセージ

「競合」が決まり、どんな「独自資源」をいかして「強み」を「顧客」に伝えるかが決まれば、次はその流れを従業員やスタッフに落とし込み、どう実行するかになります。

素晴らしい戦略でも伝わらなくては意味がありません。

飲食店でよく聞く悩みに「こんなに美味しくて、安いのにどうしてお客様は来ないのかな?」という悩みです。

ほとんどの場合は伝える力が欠けていることに原因があります。

今の世の中は情報社会となり、スマートフォンがあれば誰でも必要な情報がリアルタイムで確認でき、収集できます。

メディアでたまたま取り上げられたり、有名人の口コミで広がることはありますが、あれは偶然です。

偶然のために一生をかけて仕事をしてはリスクが大きすぎます。

自分の目指すことを形にするためには確実に成果が出る方法を選択する必要があります。

SNS(Facebook、Instagram、Twitter、公式LINEなど)は今やビジネスにおいて必要不可欠な媒体です。

大手企業に太刀打ちできる大きな武器にもなります。

本屋さんにはSNS運用に関する書籍がたくさんあります。これからの時代、SNSなくして事業の成功は掴めないと言っても過言ではありません。

SNSの部分はここでは深く触れませんが、すぐに始められ費用もかかりません。是非とも活用してくだい。

顧客に自社の商品、サービスを伝える流れに有名な表現「4P」があります。

4Pとは
【Product】商品・サービス
【Promotion】広告・販促
【Place】販路・流通
【Price】価格

【Product】プロダクト
商品・サービス=顧客が求める価値のこと。「料理」という商品を提供することによりお客様は「美味しいという満足感」「栄養をとるという生存欲求を満たす」「友人・家族との時間を楽しむ」などの価値を得ます。

【Promotion】プロモーション
商品・サービスをターゲットに伝え、認知してもらうための行動と仕組み。SNSの活用はもちろん、実店舗を利用のお客様からの口コミ。飲食店ならホットペッパーやぐるなびの活用、店外での割引券の配布などになります。

【Place】プレイス
顧客に商品を届けるための実際の経路。飲食店なら店内での食事やテイクアウト。デリバリーやネットショップでの販売など商品自体が手元に届くまでの流れです。

【Price】プライス
顧客が価値に対して支払う対価=お金を支払うこと。お客様は「価値>価格」の式が成り立つ時に魅力を感じ価値に対してお金を支払い満足します。値付けには相場も大切ですが、自社の商品に価値があり自信があるのであれば割引などせずに価格を設定するべきです。

この4つに対して順を追って一貫性をつくり、流れをつくることが商品、サービスを届ける基本的な考え方になります。

そしてこの4Pを自社の従業員、スタッフにどのように伝え形にし、売上や利益にしていくかは、次の「売上5原則」の話になります。

重要③売上5原則

戦略を考えたら次は具体的な「数値目標」に落とし込んで、共有し実行します。

本をたくさん読んで得た知識も活用し実行しなければ意味がありません。

「絵に描いた餅」で終わらせるのではなく形にしていきましょう。

戦略の目的は利益を上げることです。利益は「売上ー費用=利益」です。利益を上げるには「売上」を上げるか、「費用」を減らす、この2通りになります。

「売上5原則」では主に売上を上げる考え方を見ていきます。

売上は「客数×客単価」で計算し、5つの考え方に分かれます。

売上5原則
ー客数ー
【新規顧客を増やす】
【既存顧客を維持する】
ー客単価ー
【購買頻度を上げる】
【購買点数を上げる】
【商品単価を上げる】

上記のように5つを説明する前に注意点があります。

客数向上と客単価向上は相反するということです。

客数を上げようとすると単価が下がります。
例)割引券で来店頻度をあげれば割引きで単価は下がる

客単価を上げようとすると客数は下がります。
例)50席のレストランが客単価5,000円から10,000円に上げようとすると席はゆったりと用意するため50席から30席にするなど変更します。さら一度の外食費が上がれば上がるほど必然的に利用客層は減ります。

客数、客単価のどちらかを上げる、または両方上げるなどの戦略は十分に注意しながら考える必要があります。

短期的な売上、利益を確保できるかもしれませんが、続かなくては意味がありません。

売上5原則の詳細
(飲食店を例に説明します)

ー客数ー
【新規顧客を増やす】方法
4Pのプロモーションと考え方は同じです。SNSなどの活用により店舗の存在を知らない顧客へのアピール。ホットペッパーなどの有料サイトによる宣伝。そして一番効果的な新規顧客の集客は「既存のお客様による口コミ」です。口コミこそ最大の販促です。イメージしてみてください。飲食店を探すときに一番安心するのは信用ある友人や家族からの紹介ではないでしょうか。または利用客による口コミ投稿だと思います。特に初めて利用する時は失敗したくない気持ちが優先されます。誰かの体験談こそ直接行動につながる要素が大きいです。

【既存顧客を維持する】方法
リーピートのお客様には飽きないように新しいメニューを定期的に用意する。商品の味を落とさずにブラッシュアップをしながら価値を維持する。既存顧客の維持でもSNSは活用します。フォロワーになっていただき定期的な情報発信を続ければ、忘れられずに外食をするとき選択肢の一つとして思い浮かべてくれます。お客様はふと頭に浮かんだお店に行こうと考えることが多いです。店舗経営をしていても「実はSNSを見てるよ」というお客様はたくさんいます。

ー客単価ー
【購買頻度を上げる】
月に一度のお得なイベントを開催したり、週末しか販売できない高単価でありながら価格以上の価値がある料理を提供するなど、その日にしか得ることのできない商品を提供する日をつくる。

【購買点数を上げる】
提供時間が短く価格が低い商品をそろえる。スタンバイや仕組みを見直すことにより提供スピードを向上させれば必然と注文数は向上します。テイクアウトの利用も有効で、店内で飲食したお客様がお土産に買って帰ることはよくあります。

【商品単価を上げる】
飲食店の商品には粗利益が高いものと低いものがあります。例えばすべての商品を原価30%で設定するのはお客様にとっては価格と価値のバランスを感じとりにくくなります。おおよそ価格の低い商品は粗利益が高く、価格の高い商品は粗利益が低いです。なので一概に単価を上げるために価格の高い商品をメニューに入れるのは適正な方法とは言えません。全体的なバランスを分析してプライスゾーンをよく考え高単価商品を入れましょう。

上記5つを元に自店にとってはどこを重点に売上を上げるかを数値化し、従業員と共有しながら実行へ移していきます。

「戦略」を立てたら「数値」に表し「実行」に移して「評価」をする。そして問題点を見直し「戦略」を立て直す。この流れを常に意識しながら仕組みを構築していきます。

重要④マインドフロー

「マインドフロー」とは「顧客の心理、心の中で起きている流れ」

商品、サービスを届ける仕組みが出来上がれば次は顧客の心理、心の中で起きている流れを細かく見ていきます。

顧客の心の流れを把握、理解することによりマーケティングの流れが悪くなった時に自社の弱点、ボトルネックが明確になり、改善策も浮き彫りになります。

マインドフローの一か所でも流れが止まる項目があると、「愛情=ファン」というゴールまでたどり着くことができません。

マインドフローの項目
【認知】→【興味】→【行動】→【比較】→【購買】→【利用】→【愛情=ファン】

こちらも飲食店に当てはめて一つずつ見ていきます

【認知】:お客様がお店の存在を知っているか。お店を知っているがどんな料理で内容はどんな感じ、価格はどれくらい、などの情報が伝わることが認知。認知してもらうためには広告、宣伝が必要となります。方法は「売上5原則」や「4P」で上げた内容となります。

【興味】:お店の存在、内容を理解したら興味をもってもらいます。興味をもってもらうにはターゲットを明確にしお客様にとって価値を提供できているかが重要です。方法はSNSでの有益な情報発信、店頭の看板または常連様からの紹介など様々です。

【行動】:興味をもったら実際に調べます。ホームページをみたり知人に知っているか聞いたり、直接電話をしてコース内容などを聞いてみるなど購入に入る前の行動に移ります。

【比較】:競合との比較になります。飲食店の場合は大きく次の比較対照があります。「価格」「商品のクオリティ」「サービスの良さ」「雰囲気」などです。他にもありますが、初めて行くお店ならまずはこの辺りを比較するでしょう。実際に来店してから感じる比較はお店によってさらに細分化され価値を感じることになります。

【購買】:比較を終えてお店に来店したら実際に食事をします。飲食の場合は来店すれば食事をするので購買の項目で流れが止まることはあまりないですが、あるとすれば予約せずに来店し満席で入れない、料理の提供が遅いので帰った、サービスが悪いので不快で帰る、などが挙げられます。

【利用】:飲食の場合、購買と利用はセットで考えます。注文方法やお店独自のメニューのインパクト、接客の工夫、お店を利用しての雰囲気の良さや客層の良さなど実際に利用をしてどのように感じるかを表します。

【愛情=ファン】:満足し愛情をもてるかどうかです。愛情をもっていただければファンとなり良い口コミを広げ、再来店の際には新たなお客様を連れてきてくれます。利用しても愛情が生まれなければ再来店はなくマインドフローの流れはここで終了です。さらに満足どころか不満足であれば悪い口コミとして未来のお客様を減らすことにもなります。

上記7項目を自店に当てはめて細分化し考えます。

「なぜ売れないのか?」でなく「なぜ知らないのか?」「なぜ興味をもたいのか?」など一つひとつを丁寧に分析することにより自店の弱点が見えるはずです。

マーケティングに大切な「集客」と「販売」はセットです。

個人で起業したばかりの時につまずくポイントは主にどちらかが欠けています。

「集客」するための方法が不足しているため、どれだけ良い商品をつくってもお客様が来てくれない、と悩んでしまいます。

これは、料理人の人が起業して悩むことが多い内容です。美味しい料理を低価格で提供する能力はあっても知ってもらはなくては絶対に売れません。

もう一つは「販売」です。集客したお客様にどのように販売するのか。商品の特徴を分かりやすく説明し共感を得て販売する。テレビショッピングで結果を出している人はまさに販売能力に優れていると言えます。

この両立を細分化し組み立てていくことが、結果的に売上、利益という結果を生みます。

後述しますが、今ままでのお話はすべてつながり「一貫性」があります。

各項目が線でつながっているようなイメージを想像してください。

どこから考えても最終結果は同じとこに着地します。

重要⑤プロダクトフロー

マインドフローが「お客様の心の流れ」に対して

「プロダクトフロー」とは「商品、サービスを買ってもらう流れ」

飲食では料理、ドリンクに対して原価比率は様々で、もちろん原価率が低い商品を多く注文いただければ利益率も高くなります。価格が高い料理を販売しても原価が高く利益率が低ければ売上が上がっても残るお金は少ないです。

「売りたい商品=利益率が高い儲かる商品」を売るための流れをつくることがプロダクトフローの目的です。

プロダクトフローの項目
【あげる商品】
【売れる商品】
【売りたい商品】

カフェによくある例で考えてみます
【あげる商品】:店頭で試飲として配る小さな紙コップに入ったコーヒー。無料で新商品が飲めるのでもらう人は多いです=敷居が低く手に取りやすい。

【売れる商品】:試飲したコーヒーを買わなくても店内に入り、席に座りコーヒーを飲む確率があがります。通常のカフェタイム=日常で利用する場面。

【売りたい商品】:店内にはコーヒーを楽しむ以外に、ケーキや軽食などを用意しているお店もあります。中でもコーヒーショップが販売したいと考えている商品にコーヒー豆があります。コーヒー豆は原価が低く利益率が高い=売りたい商品です。

店頭で「あげる商品」を配り入店を促し、店内では親しみあるコーヒー「売れる商品」を販売し、最終的に原価の低い利益率の高い「売りたい商品」へと流れをつくります。

プロダクトフローは利益を出すための武器であり、店舗によってつくりあげる仕組みは様々です。

さらに「売りたい商品」が利益率だけを重視したものでない場合もあります。利益率は低くてもその商品を購入することにより確実にリピーターになり、他の商品も購入してくれるファンになってくれるのであれば、赤字にならない限り客数が増え利益も上がります。

プロダクトフローは完成すれば素晴らしい「独自資源」となり「強みと差別化」になります。


もう一つ例を挙げたいと思います。

商品だけを中心としない飲食店のプロダクトフロー
【あげる商品】:SNSによる有益な情報。無料のSNSを見ることにより必要な情報が得られるのであれば立派な「あげる商品」です。例えばシェフによる料理レシピです。店内でも提供しているレシピを無料で提供し自宅でもつくれるようにする。

【売れる商品】:レシピを見たお客様が来店し、実際に店舗で食べる、または食べてみて自宅でも作りたいと思いレシピを見る。この時の「売れる商品」は提供してる料理すべてです。

【売りたい商品】:レシピを見て→来店する→実食する→美味しい→自宅でつくるためレシピを見る→自宅でつくる→美味しい→誰かに教える(口コミ)→お客様が増える。この時の「売りたい商品=お客様が増える」ことです。

この例は

プロダクトフロー(商品を買ってもらう流れ)と
マインドフロー(お客様の心の流れ)を混ぜて考えた仕組み

 

自社、自店の強みを理解しどのように顧客へ届けるのかを考え、仕組みにすることは上に立つ人の役割です。

「仕組み」をつくることは大切です。しかし、もっと大切なことは「仕組みをつくる能力をつくること」を「独自資源」とすることです。

考え方が分かり、仕組みをつくることができれば、どんな職種でも応用することができます。

まとめ

マーケティングを考える中で特に重要なポイント5つをまとめてきました。



マーケティングとは

【顧客、消費者が求める価値を提供するための戦略から仕組みを作り上げ実行すること】

重要①お客様が求める価値=ベネフィットとは
【顧客にとっての価値のことである】

重要②戦略
【戦略を立て、売れる仕組みを考える】
1,戦場と競合
【顧客にとっての価値を提供する場とその場で価値を提供する競合を明確にする】

2,強みと差別化
【自社の強みは何か、強みでどのように競合と差別化をするのかを明確にする】

3、独自資源
【「強みと差別化」を長期的に生み出す源泉】

4、顧客ターゲット
【自社の商品・サービスと顧客が相思相愛の関係になっていることが大切】

5、メッセージ
【戦略を従業員、スタッフに伝え形にしていくプロセスを具体化する】

重要③売上5原則
【売上、利益を出すために戦略を数字で表し目標を決める】

重要④マインドフロー
【顧客の心の流れを理解することで自社の弱点を明確にし改善する】

重要⑤プロダクトフロー
【売りたい商品、サービスを買ってもらう流れを独自につくり武器にする】


①~⑤までがマーケティングを考える上での大きな流れになります。

マーケティングは奥が深いですが、構造自体は単純にできています。

仕組みを理解し、一つひとつを丁寧に分析しながらやるべきことを明確にし、計画通りに実行する。実行する段階で改善点が見つかれば始めから分析をやり直す。

はじめは分析それぞれが個別に稼働しているように見えますが結果が出るに連れてすべてが円を描くように繋がっていることが実感できます。

マーケティングは「一貫性」と「具体性」がとても重要です。

自社が求める目標に具体的な計画を立て、そのために取組む内容に対して一貫性をつくる。

苦労してつくり上げた仕組みは独自資源となり「売れる会社」となる土台になるはずです。

「売れる会社」には「売れる仕組み」があります。

逆に「売れる仕組み」を考えない会社は「売れない仕組み」ができあがります。

売れない原因は競合でなく、売れる仕組みを持たない自分達にあります。

マーケティングの本当の能力は

「売れる仕組み」よりも「売れる仕組みをつくる能力」を鍛えること

日々変わるビジネス社会で生き抜くには、生き抜くための考え方を身につける必要があります。

マーケティングに正しい答えはないかもしれませんが、考え悩むことによりお客様や従業員を確実に幸せへと導く方向性は示せると思います。

壁に当たり、どうしても分からない時はお客様が答えを知っています。

お客様という原点に戻ることにより、何をしたかったのかが分かると思います。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事は2021年8月に書きました。

新型コロナが世界を変え、ビジネスモデルは崩壊、社会は混乱しています。

このような世の中でも生きていくため、大切な人を守るためには必要とされる存在にならなくてはなりません。そのためには自分で考え、まずは行動することが大切だと思います。

何も行動せずに嵐が過ぎるの待っていては荒地だけがのこります。

嵐を回避し荒れた場所を回復させる手助けができるような存在になりましょう。

この記事がすこしでも役に立てば嬉しいです。

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