この記事ではソムリエ二次試験対策についてまとめています!
2024年10月7日(月) 11:30~13:05
論述20分
テイスティング40分
ソムリエ一次試験に合格すれば合格まであと一息です!
実際に独学で合格できた、わたしの学習方法をお伝えします。
学習方法は人それぞれで正解はないと思います。自分の弱点を理解し、その部分を補う学習方法を自分で見つけることができれば大きな成果と結果につながります。
わたしは暗記がとても苦手で一次試験に関してもとても苦労しました。
どのように学習すれば暗記が定着するのかを考え思考錯誤した結果、合格しました。
一次試験の詳しい学習方法は以下の記事をご覧ください。
二次、三次は一次試験より合格率が上がります。
直近5年間のソムリエ二次試験合格率は約7~8割です。
ただし合格率が上がると言っても何もしなければ落ちます。
実際、毎年難易度は上がっているとも言われています。
わたしは一次試験合格から二次試験まで50日間でした。
一次試験合格までは二次試験の対策は何もやっていない状態でした。
50日間で自分なりにまとめて対策を行った結果、二次試験に合格しました。
特に重点をおいた点に関して以下にまとめています。
参考にしていただき役に立てれば幸いです。
過去の出題より傾向を分析
はじめに過去の出題から傾向を分析します。
ソムリエ試験だけでなく他の試験でも、仕事の場でも過去の実績や傾向から今後の方向性を分析することは大切なことです。
仮説を立て、遠くにある目的を見つめながら前進すると途中で道をそれたりすることもないです。
ソムリエ二次試験の概要
- 論述 : 20分
- テイスティング : 40分(ワイン3種類・ワイン以外2種類)
下の表はワイン3種類、過去の出題を整理した表です。
品種 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | 2016年 | 2015年 |
シャルドネ | フランス 2020年 |
フランス 2019年 |
日本 2016年 |
フランス 2014年 |
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ソーヴィニョンヴラン | フランス 2021年 |
フランス 2018年 |
フランス 2012年 |
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リースリング | ドイツ 2019年 |
フランス 2016年 |
フランス 2014 |
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ミュスカデ | |||||||||
アリゴテ | フランス 2016年 |
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甲州 | 日本 2016年 |
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トロンテス | アルゼンチン 2016年 |
品種 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | 2016年 | 2015年 |
カベルネ・ソーヴィニョン | アメリカ 2016年 |
オーストラリア 2014年 |
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シラー シラーズ |
オーストラリア 2020年 |
オーストラリア 2016年 |
オーストラリア 2014年 |
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ピノ・ノワール | ニュージーランド 2012年 |
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メルロ | 日本 2018年 |
アメリカ 2017年 |
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サンジョベーゼ | イタリア 2018年 |
イタリア 2014年 |
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テンプラニーリョ | スペイン 2014年 |
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マスカット・ベーリーA | 日本 2013年 |
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ネッビオーロ | イタリア 2017年 |
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マルベック | アルゼンチン 2020年 |
この2つの表から分析できる出題傾向の傾向はたくさんあります。
①基本品種6種類の内、1種類は出題されている
基本種とは
白:シャルドネ、ソーヴィニヨンヴラン、リースリング
赤:カベルネ・ソーヴィニョン、シラー、ピノ・ノワール
この6種類の内1種類または2種類は毎年出題されています。
②同じ品種は連続して出題されたことはない
例えば昨年シャルドネが出題されたのであれば今年はシャルドネが出題される可能性は低いというこです。
(※2021年試験結果より、シャルドネが2020年、2021年と連続して出題されましたので訂正しました。しかし傾向の分析としては考慮する予知はあると思います。)
③基本品種6種類以外は過去3年間同じ品種が出題されていない
過去3年間で基本品種以外の品種は2回以上出題された事例はない。逆に言えば過去3年間に出題された基本品種以外の品種を見極める知識が必要です。
④旧世界のワインが1種類は出題されている
旧世界(古くからワインを生産している国)
フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、ギリシャなどのヨーロッパの国
新世界(ニューワールド、ヨーロッパ以外の国)
アメリカ、オーストラリア、日本、チリ、南アフリカなど
⑤収穫年は5年以内
2019年に出題されたテンプラニーリョ2014年が最長5年です。ワインは瓶詰後も時間の経過と共に品質が変化するので収穫年が長くなるとワインによって品質の差が出ます。試験の平等性を考え5年以内を目安にしていると思います。
他にも判断できる見方はありますが、上記5点だけでも出題品種をしぼることは十分にできます。
あくまで予測となるので、試験当日に思い込んでしまい、他の考えができない状態には決してならないように注意してください。
一つの判断基準として、試験当日に役立たせるようにしてください。
わたしが2021年受けるとすれば予測として次のように仮説を立てます。
このように分析して予測を立てます。これは考え方の一例なので参考までに留めてください。
下の表はワインエキスパート試験の出題銘柄一覧です。
ソムリエ試験同様に傾向を分析し仮説を立ててください。
ワインエキスパート二次試験の概要
- テイスティング : 50分(ワイン4種類・ワイン以外1種類)
品種 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | 2016年 | 2015年 |
シャルドネ | フランス 2018年 |
オーストラリア 2015年 |
アメリカ 2013年 |
フランス 2012年 |
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ソーヴィニョンヴラン | チリ 2021年 |
ニュージーランド 2019年 |
ニュージーランド 2018年 |
チリ 2015年 |
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リースリング | オーストラリア 2021年 |
フランス 2019年 |
ドイツ 2016年 |
フランス 2013年 |
オーストラリア 2013年 |
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ミュスカデ | フランス 2016年 |
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アリゴテ | |||||||||
甲州 | 日本 2021年 |
日本 2017年 |
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トロンテス | アルゼンチン 2019年 |
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ヴィオニエ | フランス 2019年 |
品種 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | 2016年 | 2015年 |
カベルネ・ソーヴィニョン | アメリカ 2019年 |
チリ 2018年 |
オーストラリア 2015年 |
アメリカ 2012年 |
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シラー シラーズ |
フランス 2018年 |
オーストラリア 2014年 |
フランス 2014年 |
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ピノ・ノワール | ニュージーランド 2018年 |
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メルロ | 日本 2014年 |
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サンジョベーゼ | イタリア 2015年 |
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テンプラニーリョ | スペイン 2017年 |
スペイン 2017年 |
スペイン 2013年 |
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マスカット・ベーリーA | |||||||||
ネッビオーロ | |||||||||
カベルネフラン | フランス 2018年 |
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グルナッシュ | フランス 2021年 |
フランス 2013年 |
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ガメイ | フランス 2015年 |
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マルベック | アルゼンチン 2015年 |
テイスティング採点分析
テイスティングコメントは細かく採点が振り分けられており、採点配分は毎年変更になります。
2021年度の採点配分は以下の通りです。
二次試験合格率は約7~8割です。
満点を取る必要はありません。
平均点以上を取ることができれば合格できます。
2021年は外観、香り、味わいの3項目で64%です。
テイスティング二次試験に関して品種当てが重要という人も多いです。
もちろん品種を当てることは高得点をとる方法の一つです。
しかし近年では配点にも表れてるように品種や収穫年、生産地を当てることよりも外観、香り、味わいなどワインの本質と向き合い、評価をするという部分に着目されています。
品種を当て、決めた品種のコメントをそのまま解答してしまうと品種が合っていればいいですが、間違っていた場合、大きく点数を下げてしまう恐れがあります。
次の目次で紹介する佐々木健太さんのYouTubeでは「品種当てに走らない」という考え方で動画が作成されています。
わたし自身、ワインに関してほとんど素人の状態でソムリエ試験の勉強をはじめたので一次試験もそうでしたが、まずは試験の概要と本質を理解した上で勉強しました。
ソムリエ試験は合格を目指すのは当然ですが、ソムリエになることで今後どのような活躍をしたいのか、目的をしっかりと意識することも重要だと思います。
目的を達成する手段が目的とならないように注意してください。
わたしは個人で店舗経営をしているのでワインについて説明する機会は多いです。
その中でお客様へ説明する時に心がけているのは「この品種はこんな感じの味わいです」という表現より「このワインはこのような味わいで、こういう品種を使っています」と説明することです。
ワインの本質を伝えることを前提にするとお客様へも伝わりやすくなります。
二次試験を勉強する中でたくさんのワインと向き合うと思いますが、「なんでこんな味がするのかな?」と考え、「これがこの品種か!」と結論づけるとワインの判断基準が身につきます。
ワインの本質を理解するために勉強し、結果「合格」できた!というのが理想的な勉強方法だと考えています。
YouTube:「佐々木健太のサイバーワインスクール」
YouTubeページ→「佐々木健太のサイバーワインスクール」
佐々木さんは『ワインの本質』とは『テイスティングフォーム』を理解し身につけることだと話されています。
『テイスティングフォーム』とは
「外観」「香り」「味わい」「サービス」の4項目、そして「結論」です。
正しいテイスティングフォームを身につけ、ワインの本質と向き合い分析できてますか?ということが求められているのが二次試験だと説明されています。
佐々木さんのYouTubeでは「品種当て」をすることなく、「中間点を狙え」と強調しています。
品種も当てて100点を狙うのでなく、品種は外しても他の項目で点数を獲得し平均点を狙うことを目指す。この考え方が重要です。
実際の現場(飲食店)でお客様を目の前にして、お客様が求めていることは「品種」ではなく「どんな味わいのワインですか?」ということです。
ワインの本質を理解することは今後、ワインと向き合う上でワインのことがもっと好きになる土台となります。
合格のためワインスクールに通う人も多いと思います。
ワインスクールでは本質的な考え方はもちろん、テクニックなども教えていただけます。
何より経験者の人に直接教わるのは大きなメリットです。
私は独学で本を読んだり、YouTubeなどで勉強してきたのでお手本となる人を探し、その人の考え方を軸に勉強範囲を広げていきました。
二次試験のテイスティングでは佐々木さんを手本に勉強をすすめ、ワインの味わいについて本質と向き合う考え方が身に付き、結果的に合格したと思っています。
独学で合格を目指している人にはおすすめの動画なので、一度見て参考にしてください。
各品種についてもテイスティングシートに基づき丁寧に説明をされているので、理解しやすい動画となっています。
品種ごとの説明、例えば
・「【ソムリエ二次試験対策】カベルネソーヴィニヨンをエアーテイスティングしてみた。 – YouTube」
・「【ソムリエ二次試験対策】樽シャルドネをエアーテイスティングしてみた。 – YouTube」
他にもたくさん動画を上げています。
一度覗いてみてください
書籍「ワインテイスティングの基礎知識」
二次試験対策として参考にした書籍はこちらです。
テイスティングに関しても何冊か見ましたが、わたしはこの本が一番分かりやすく理解できました。試験対策としての本というより、テイスティングの考え方を解いた内容です。
試験が終わっても常に見返す必要がある内容となっています。
特に香りの部分に関してワインは様々な表現があり、感じ方も人それぞれでとても難しい項目です。
本書では香りの画像を元に丁寧に説明がされており、考え方の面でもよく理解できます。
色の表現が本当にたくさんあるので始めは分からくても今後ワインと触れ合う中で、軸となる部分をつくることができると思います。
別冊には「二次攻略テクニック」というページがあり、重要品種についての各テイスティングシートが記入されており、実際にテイスティングの練習をしながら見ると理解も早まります。
ただし注意点が1点あります。
わたしもそうでしたが、テイスティングに関しては伝える人によって表現が異なります。
大まかな部分は同じですが、細かな表現になると相違が出てきます。
これは人それぞれによって味覚や臭覚、感じ方に差があるので仕方のないことだと思います。
大切なのは自分が感じた表現に当てはまる基準を身につけることです。誰かに説明する時に自信をもって説明、表現ができれば問題はありません。
自分の考えと言葉で伝えることができるのがテイスティングだと、わたしは考えています。
佐々木健太さんのテイスティングを軸に、他にも「こういう考え方があるんだ」という認識でわたしは勉強を進めていきました。
試験終了から今までを考えても方向性に間違いはなかったと思っています。
「ワイン受験.com」
一次試験でも大変お世話になった「ワイン受験.com」
一次試験、実際にどのように活用したのか詳しくは関連記事をご覧ください。
二次試験においてもとても参考となりました。
「ワイン受験.com」ではソムリエ試験全般に対してまとめています。
・過去の出題傾向と対策
・合格ライン、合格率
・模擬試験
・勉強方法
・合格者の声
などなどソムリエ試験合格のためのアドバイスがとても充実しています。
テイスティングシートも独自に用意されています。
⇩
ソムリエ二次試験、テイスティング解答用紙・用語選択用紙 | ワイン受験.com (wine-jyuken.com)
わたし自身「ワイン受験.com」に出会わなければ合格はありませんでした。
二次試験では「ワイン受験.com」で紹介している「小ビン詰め替え法」を実践しました。
詳しくはこちらをご覧ください
⇩
独学でソムリエ二次試験に合格する、小ビン詰め替え法 概要 | ワイン受験.com (wine-jyuken.com)
簡単に説明すると
わたしはスクールに通うことなく独学で進めていたので、テイスティング練習ではボトル1本開けると飲み切れずに余ってしまいます。
そこで活用したのが
「小ビン詰め替え法」です。
開栓後、小さな瓶に詰め替えて空気に触れることを極力避け、酸化を防ぐ方法です。
この方法だと瓶を用意する手間はありますが、テイスティングに必要な香りや味わいをできるだけ落とすことなく何度も練習ができます。
よかったら試してください。
テイスティング練習
比較テイスティング
テイスティングの練習では必ず2種類以上のワインを飲み比べることをおすすめします。
比較をすることにより違いを理解でき記憶の定着になります。
・品種による外観、香り、味わい
・生産国の比較
・年代の比較
・価格の比較
品種比較ではチリワインのコノスルをはじめに使いました。
テイスティング練習には2000円~3000円ほどのワインが特徴がよく表れていて、おすすめと言われていますが、10本、20本と揃えるのは金銭的にもわたしは厳しかったのでなるべく安く揃えたく探したのがコノスルでした。
10本セット1万円未満で購入できました。
安価の割には香りもしっかりと表現できており、わたしは特徴を掴むことができました。
コノスルで一通り練習した後は苦手な部分を書き出し、違う国や年代、生産者やメーカーを変えて何度も練習を重ねていきました。
開封したワインは前述しました「小ビン詰め替え法」を利用し、なるべく酸化を防ぎ保存しました。
テイスティンググラスは本当は国際規格のグラスが良いのですが、少し高価なのでわたしは100均のグラスも代用していました。
国際規格のテイスティンググラスと同じぐらいのサイズのワイングラスが100均でも購入できます。
はじめは3種類ほどを比較しながら練習していました。
慣れてくる試験間際には赤4種類、白4種類をグラスに注ぎ、付箋に品種名を書いてグラスの底に貼り、部屋の電気を薄暗くしてテイスティングを行い、品種を当てる練習を繰り返しました。
何度もやっていると8割以上の確率で当てることはできましたが、大切なのは前述しました『テイスティングフォーム』を身につけることです。
品種を当てることも大切ですが『外観』『香り』『味わい』『サービス』について考え、解答できなくてはなりません。
・佐々木健太さんのYouTube
・書籍:ワインテイスティングの基礎知識
この2点を軸にテイスティングを行いながら、ワインの本質とフォームを身につけてください。
品種を見極めるという部分では
わたしは次に紹介する「品種別特徴表」を作成し、自分の表現や言葉で導き出せるようにまとめていきました。
よろしければ参考にしてください。
品種別特徴表を作成
ワインの特徴を掴む感覚は人によって微妙に変わります。
例えば花の香りとして「スイカズラの香り」という代表的な香りがありますが、スイカズラの香りを嗅いだことのない人は分かりません。
それよりも自分が知っている感じた香りを表現した方が品種を判別する時には有効です。
テイスティングをはじめたばかりの頃はこれで良いと思います。
経験を積むにつれてワイン用語として理解し、実際に匂いを確かめて自分の感覚として定着していけば問題ありません。
特に今回はソムリエ試験という合格を目指した上での勉強方法です。
100点を目指す勉強方法より大枠を捉えた確実性のある勉強方法をおすすめします。
下の表はわたしが品種を判別するのに実際に書き込んだりしながら使っていた表です。
(表示内容はイメージ)
品種 | 出題可能性 | 予測の国 | 外観 | 香り | 味わい | 樽香の有無 | 酸味 |
例)シャルドネ | ☆☆☆ | フランス | 緑がかったイエロー | 青りんご レモン |
甘い香り | 有 | まろやか |
例)甲州 | ☆ | 日本 | 無色透明 | 特徴がないのが特徴 | 軽やか ミネラル感 |
無 | 心地よく控えめ |
~ |
項目は使いやす用に変更していただき、自分が分かりやすい品種の判別方法を探っていただければと思います。
一次試験合格から、二次試験の勉強をはじめる人も多いです。
わたしもそうでした。
約1ヵ月半の期間で効率よく学ぶためにも1日ぐらいをかけて勉強方法を整理し、計画をもって進めることも大切です。
基本品種6種類の特徴
毎年必ず一つは出題される基本品種6種類の特徴を簡単にまとめておきます
『シャルドネ』
- 品種を特徴づけるような個性的な香りはない
- マロラクティック発酵を行われるため酸味がまろやかなのが特徴
- 新樽熟成なので「バニラビーンズや焙煎されたコーヒー豆の香りがする」
- 樽香がして酸味がまろやかなら95%の確率でシャルドネ!
- ※シャルドネは特徴がないことが特徴
『リースリング』
- ステンレスタンクが多いので樽香はない
- 香りは簡単に言うと「花と石油の香り」
- マロラクティック発酵を行わないので「シャープで強い酸味が特徴」
- ※ソーヴィニヨンブランとの判別は「石油の香り(ぺトロール)」で判別するのが分かりやすい
『ソーヴィニョンブヴラン』
- 色調「グリーンがかったレモンイエロー」
- マロラクティック発酵を行わないので「酸味が特徴」
- 独特の強い香りがある「グレープフルーツ、パッションフルーツ」
- 最初の香りで「リースリング」か「ソーヴィニヨンブラン」を判別することが重要
『カベルネソーヴィニヨン』
- 「深みのある、落ち着いた、ガーネット」と表現
- 分かりやすい特徴に「甘い樽香がある」
- 果実・樽香以外に「湿った土、キノコのような香りがある」
- 果実味が豊富、渋みをしっかり感じる
『ピノノワール』
- 新樽熟成による「甘く香ばしい香り」が多いが安価なものは樽香がしない
- 試験では樽香がしない安価なワインが出題されやすい
- 色調「紫がかった+ルビー、オレンジがかった+ルビー」
- 香り「ラズベリーのような甘酸っぱさ、スミレの花」
『シラー』
- 外観は「紫がかったガーネット」
- アルコールが高い→粘性がディスクが厚くレッグスが強い
- 野性的でスパイシー感が特徴
- 大樽熟成が多いので比較的「樽香」がしない
ワイン以外のお酒2種類
ワイン以外の飲料から種類を解く問題が2問出題されます。
ウイスキー、ブランデー、焼酎、リキュールなどのお酒がたくさん出題される問題です。
バーなどに勤務していない限り、独学ですべての実物を見て香り、味を確認することは不可能に近いです。
スクールでは香りのサンプルが用意されていますので対策が取りやすいですが、独学の場合は見た目による色の判断と書籍にある判別のポイントなどで見極めるしかありません。
前述で紹介しました「書籍:テイスティングの基礎知識」の別冊には色の判断、判別のポイントをまとめた表があります。
わたしは色に関してネットで画像を検索し、一枚の用紙にまとめて眺めていました。
リキュールに関しては色に特徴があるので比較的見極めが容易です。
難しいのはウイスキーやブランデー、焼酎などの色だけでは判別しにくいお酒です。
特徴と色を合わせて考えられるように準備をしてください。
どうしても実物で練習をされたい場合は
ミニチュアで販売している小さな小瓶を購入する方法もあります。
酒屋さんにオブジェのように置いてある小瓶を見かけたことはありませんか?
1つ50mlぐらいのかわいらしい小瓶です。
酒屋さんでも買えますが、楽天市場などのセット販売はお得に購入できます。
私は飲食店を経営しているので1/3ぐらいは自店で確認できました。行きつけのお店などがあれば、お願いして香りだけでも確認させてもらうといいですね(^^)
論述
論述試験は20分。出題は3問となり時間は短いです。考えながら手を止めていると時間は足りません。ある程度の予測を立てスラスラと書けなくてはなりません。練習をする時は実際に時間を測って原稿用紙に書くことをおすすめします。
対策として、わたしは以下の内容について考えなくても書けるようにしました。
- 軽めの白
- 重い白
- 軽めの赤
- 重めの赤
- 日本ワインについて
- チーズについて
- 日本酒について
- 基本品種の説明
参考に実際にわたしが考え暗記した内容を載せておきます。
~軽めの白~
外観はグリーンがかったレモンイエローで輝きがあります。香りは柑橘系やリンゴのさっぱりした香りとスイカズラなどの花を連想させる香りが特徴です。味わいは心地よい爽やかな酸味がありドライでさっぱりした味わいです。合わせる料理としては白ワインビネガーを使った白身のカルパッチョが合います。また爽やかな酸味が脂っぽさを流してくれますのでレモンを絞った鶏の唐揚や和食では天ぷらにもよく合います。(191文字)
(ハーブ香が強いSBにはハーブチキンのグリル、魚介の香草パン粉焼きが合う)
~重い白~
外観はグリーンがかったイエローで輝きがあります。香りは白桃やパイナップルなどのこっくりとした甘い香りとスイカズラなどの花を連想させる香りが特徴です。味わいはやさしい酸味にコクと豊かなボリュームがある味わい。合わせる料理としてはクリームソースを使った料理、クリームシチューやドリア、グラタンなどと合います。またチキンや白身魚にバターを使ったブールブランソースで仕上げた料理も合います。(193文字)
~軽めの赤~
外観は紫がかったルビー色で輝きがあります。香りはラズベリーやブルーベリー、すみれなどの花を連想させる香りが特徴です。味わいはしなやかで上品であり、スマートな感じの味わいです。合わせる料理としては酸味のあるトマトソースを使った料理が合います。トマトソースのピザやパスタ、また和食とも相性がよく、ブリの照焼き、豚の生姜焼きなどとも合います。気温が上がる夏先などでは8~13度に冷やして楽しんでいただくのもおすすめです。(206文字)
~重めの赤~
外観は紫がかったガーネット色で落ち着いた感じです。香りはブラックベリーやブラックチェリー、すみれなどの花を連想させる香りが特徴です。味わいは酸味なめらかでタンニンは力強くボリュームがある味わいです。合わせる料理としてはパワフルな味わいに負けない濃厚な料理、牛ホホ肉の赤ワイン煮や豚のスペアリブ、チーズでは青かびタイプとの相性がいいです。温度は17~20度の高めで味わうとコクやまろやかさをより感じていただけます。(202文字)
~日本ワインについて~
2018年の「果実酒など製法品質表示基準により「日本ワイン」と「国内製造ワイン」という表記ができました。これは消費者が日本ワインに対して分かりやすく理解し、購入できるようにという意図があります。国内での日本ワイン流通は全体のわずか約4%です。現状は輸入ワインにシェアを大きく確保されている状況です。しかし近年では日本ワインも世界から高い評価受けるようになり、日本食という繊細な料理に対してもなくてはならない存在となっています。(213文字)
~チーズについて~
生乳にたんぱく質を固める酵素を加えて重しをかけ、生乳に含まれるホエイという水分を抜いたものがチーズです。カビを付けずに熟成もしないチーズをフレッシュチーズと言い、クリームチーズやモッツアレラチーズなどがあります。料理に使うのは適していますが、そのまま食べるには物足りないかもしれません。カビを付け熟成などをさせるタイプには白カビや青カビタイプなどがあり単体でワインと合わせることができます。(195文字)
~日本酒とは~
日本酒は酒税法により米・米麹・水を原料として醗酵させ漉したものをいいます。アルコールは22度未満でなければなりません。飲用温度は6~60度が適温でぬる燗は40度前後、熱燗は50度前後で楽しむといいでしょう。日本酒は日本特有の製法で作られたお酒であり、縄文時代~弥生時代に造り始めたともされています。近年では国内だけでなく海外からも高い評価を受け日本の名産としても注目されています。(181文字)
~基本品種カベルネ・ソーヴィニョンの場合~
外観は紫がかったガーネット色で落ち着いた感じです。香りはブラックベリーやブラックチェリー、すみれなどの花を連想させる香りが特徴です。味わいは酸味なめらかでタンニンは力強くボリュームがある味わいです。旧世界・新世界ともに幅広く生産されもっとも有名な品種の一つです。旧世界では特にカリフォルニアやチリ、オーストラリアでは他国でも高い評価を受け今後も活躍する品種でしょう。(183文字)
論述は色々な角度から出題されます。時間があるようでしたら、一次試験で学習した歴史や製法などを見直すことをおすすめします。
論述は三次試験の点数になります。二次試験には影響がないかもしれませんが、三次試験に影響を与え三次試験のサービス実技がうまくいっても落ちる可能性はあります。
論述は完璧な答えを書く必要はありません。分からなくても白紙で終えることは決してないようにし、正しい答えとは違っても考え方が合っていれば合格するとも言われています。デタラメナな回答はせずに一次試験の知識をフル活動させ、なるべく文字数を書いてください。
二次試験は実技なので近くの人の回答が気になるかもしれませんが、集中して自分との戦いに勝ってください。ソムリエ取得まであと一歩です!
ソムリエ試験に合格すると見える景色がまた違ってきます(^^)🍷
この記事が役に立てば幸いです。
【ソムリエ試験:三次試験サービズ実技】
こちらの記事は三次試験の内容について動画も使いながらまとめています。よろしければ参考にしてください!
ソムリエ試験、頑張ってください!
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