こんにちは!ドイと言います。
この記事ではソムリエ三次試験、サービス実技についての注意点、練習方法を動画と合わせてまとめています。
一次、二次と合格された方、本当におめでとうございます!
合格まであと一歩、最後まで決して気をぬかずに必ず合格してください。応援しています!
三次試験の合格率は80%以上と言われています。
合格率は確かに高いですが、何もしなくては合格できません。
逆に練習をすれば必ず合格できるのが三次試験です。
では具体的にどのように練習すればいいのか、それが分からずに不安な人は多いと思います。
わたし自身もそうでした。
日本ソムリエ協会の動画を何度も見て、インターネットで受験された人の感想や記事を見て自分なりにイメージをしながら何度も練習しました。
それでも試験当日まで不安でした。
何度も練習したけど「なぜ不安なのか」を考えた時、実際の試験会場の様子や具体的な練習方法のイメージができないからだと思いました。
そこで今回の記事をまとめました。
この記事はこんな人におすすめです
- 練習方法を知りたい
- 試験会場のイメージをつかみたい
- 実際の動作や言葉使いを知りたい
YouTubeの動画も使いながら実際にわたしが行ったサービス内容をまとめてみました。
参考にしていただき、すこしでも不安がなくなれば幸いです。
試験日時
【2024年ソムリエ三次試験日時】
2023年11月18日(月) 12:30~最終16:00頃
試験前に気になること
下記は試験前にわたしが気になっていたことです。
小さな不安を消していくことで余計なことを考えずに集中できます。
気になる項目があれば確認にしてください。
注意点)内容はわたしが受験した2020年の時点での見解になります。今後、対応などは変わることがあるのでその点はご了承ください。
ユニフォーム
ユニフォームは仕事着で問題ありません。ポロシャツにサロン、コックコート、CAさんなど様々な服装でした。中にはジーパンにTシャツ、サロンを着用の人もいました。足元は靴がいいと思います。サンダルが仕事着の人もいらっしゃると思いますが、避けた方が無難です。
サロンはポケットありがおすすめです。ソムリエナイフ、リトーを入れておくことができます。
マスクの着用
わたしが受験した2020年はコロナウイルス対策としてマスク着用でのサービス実技でした。当日配布されたテキストには「マスク着用による審査項目、動作、サービス内容の変更はありません」と書かれていました。
ということは、マスクを着用しながらテイスティングを行うことになります。
2022年の試験内容を知人より確認したところ
「マスクをずらしてテイスティングをする」という指示があったということです。
耳から紐は外さずに顎までずらして問題なかったようです。
もし顎までずらすことに違和感があるのであれば
片方の紐を持ち耳から外してテイスティングしても問題ないかと思います。
テーブル配置
わたしが一番気になっていたことがテーブルや器具の配置です
実際はこのような配置でした
試験官3名、コの字型のテーブルに受験者6名。試験官1名に対して受験者2名の振り分けです
器具類はまとめて長いテーブルに置いてありました
隣の受験者とはとても近い距離で自分の作業スペースは約80cmほどでした。
他の受験者の言葉使いや動作などがどうしても気になるかもしれません。
しかし、試験実施中に練習してきたことを変更しないことをおすすめします。
今までやってきた練習を信じてやりきってください。
器具の配置
下の図はわたしが器具を配置した位置です。
配置に関して決まりはありませんが、ソムリエ協会の動画などからも作業しやすい配置はあるので、こちらは参考までにご利用ください。
やりやすいように配置するのが一番いいので自分の中での流れをイメージしながらベストな配置を探ってみてください。
光源はデポライト
日本ソムリエ協会の動画ではデカンタージュ時にロウソクを使用していましたが、当日はデポライトでした。後ろにボタンがあり、押すと点灯します。
澱の有無
デカンタージュを行いワインを残すか注ぎきるかは悩むところです。
結論から言うと
- 澱がない場合は注ぎきり「澱はございませんでした」
- 澱があった場合はすこし残し「少々澱がございました」
という言葉使いで対応することになります。
当日配布されたテキストには「割り当てられたワインの実物に即した内容でサービス実技を行う」と書かれていました。つまり自分で判断してください、ということです。
わたしが試験に抜栓したワインは2018年産の赤ワインでした。
澱はなくすべてデカンターに注ぎ「澱はございませんでした」と伝えました。
若くても澱がある場合もあります。十分に注意してデカンタージュを行い、
澱があった場合「少々澱がございました」と伝えて約1cmほどワインを残してください。
ゲストの存在
日本ソムリエ協会の動画では「ホスト1名」「ゲスト1名」の設定ですが、おそらく当日は「試験官1名=ホスト1名」としてサービス実技となるのでお客様用グラスは1つで用意します。
試験中の注意点
時間配分を守る
制限時間は7分間。当然ですが時間内でサービスを終えなくてはなりません。
試験内容はおそらく「パニエを使った赤ワインのデカンタージュ」になります。
時間内に確実に終えるためには練習あるのみです。わたしは30回ほど練習し6分ちょうどで終えるようにしました。
毎回コルクの抜栓をするわけにはいかないので、空いたボトルに水を入れて練習しました。
練習をすれば時間内に終えることは確実にできます
心配なのはアクシデントが起きた場合です
例えば、
- コルクが折れてしまった
- ワインをこぼしてしまった
このようなことが起きたら焦ってしまいどうしていいか分からなくなります。
対処方法は実際のお客様に対してどのような行動をとるかだと思います。
「コルクが折れてしまった」のであれば、「申し訳ありません。ただいま新しいボトルをご用意させていただきます」とお伝えして、新しいボトルを抜栓するなど対応しましょう。
もちろん試験官より「そのまま続けてください」などの指示がある場合は従ってください。
試験実施中、抜栓途中で折れたコルクを抜くのは時間的にも至難の業です。
ボトルの中にコルクを落とすことが最善の方法だと思います。
どれだけ抜栓が上手い人でも折れる時はあります。
ソムリエ三次試験、サービス実技で大切なことはお客様に対して誠実に対応し、ソムリエがやるべきことを行えているかだと思います。
実店舗でも予期せぬアクシデントは起きます。その時にどのように対応できるかもとても大切なことです。
コルクが折れても、グラスを倒してこぼしても、お客様に対して適切な対応をすることができれば不合格にはならないと私は思います。
アクシデントが起きたことも想定して時間内に終えるようにイメージトレーニングはかかさないようにしてください。
試験官をお客様としてサービスする
試験官がどのような項目を重点に判断しているかは分かりませんが、わたしが感じたことは
「お客様に対してサービスを行えているか」という点です。
試験官をお客様として対応できているのかを見ている気がしました。
実店舗でお客様に接客をする時は必ず目を見て話しをします。
試験実施中、試験官はメモを取る以外はわたしの目をずっと見ていました。手元の動きを見るというよりお客様に伝わる接客をしているか、という判断をしているように感じました。
試験官にもよるのかもしれませんが、とても重要なことだと思います。
試験当日、作業だけに集中するのでなく試験官の目をしっかりと見てアイコンタクトできるように意識してみてください。
また試験中は他の受験者も当然、言葉を発しているので丁寧な言葉使いも重要ですが、大きな声ではっきりと伝えていることも重要です。
他の受験者への気遣い、譲り合い
テーブル配置を見ていただくと、器具の配置は一つのテーブルにまとめられています。
「始めてください」の合図で一斉に始まるので器具の辺りは混み合います。
その時に「自分が先に」という感じは出さない方が良いと思います。
ソムリエはスマートな作業を行うことも心がけないといけません。混み合う場では譲り合いの気持ちを持ちながら落ち着いて作業してください。
7分間は意外と長いです。完全に体が覚えていればゆっくりとサービスを行っても6分間で終えることができます。
深呼吸して落ち着きながら周りの状況を見てサービスを行いましょう。
サービス実技の動作と言葉使い
下記はわたしが自作した三次試験の流れです。
よろしければ参考にしていただき、これをもとに何度も練習をしてみてください。
制限時間は7分なので、6分目安で練習することをおすすめします。
- △ →言葉使い
- ■ →動作
【三次試験流れ】
~パニエを使った赤ワインのデカンタージュ~
制限時間7分
△言葉使い
■動作
ー準備器具ー
赤ワイン、パニエ、デカンター、トレイ、デポライト、ワイングラス、テイスティンググラス、紙ナプキン、コルク置き用小皿、ボトルコースター2枚、ソムリエナイフ、リトー
ー参考:器具の配置-
アナウンス :「サービスを始めてください」
△かしこまりました「シャトー・タサン」20〇〇年ただいまご用意いたします。
■ワインを迎えるように静かにパニエに入れる。
■お客様へプレゼンテーションする。
△こちらご注文いただきました「シャトー・タサン」20〇〇年産でございます。
△こちらのワインですがデカンタージュをさせていただきます。
■パニエに入ったワインをテーブルに置く。
■サービストレイに汚れを確認したグラス、デカンター他必要なものを乗せサイドテーブルへ運ぶ。グラスはお客様へ提供する。
■パニエに入ったままキャップシールを剥がしポケットへ。ビンの口を紙ナフキンで拭き手前に置く。慎重にコルクを抜く。浅く→深く、ナイフからコルクを抜くとき紙ナプキンでコルクを包み抜き取り、コルクの香りを確認し小皿へ置く。
△コルクは健全でございます。
■もう一度ビンの口をしっかりと紙ナフキンで拭き、テーブル手前に置く。
△お味見させていただいても、よろしいでしょうか?(試験官うなずく)
△ありがとうございます。
■パニエのままテイスティンググラスにワインを入れ、斜め後ろを向いて香りと味を確認する。
※:マスクは必ず片方の紐を持ち耳から外してテイスティングします
(※おそらく試験当日はリンスの必要はありません。当日の説明に従ってください)
リンスが必要という指示があれば香りを確認し、味は確認せずデカンターへ移しリンスします。デカンターに移した分を改めてテイスティンググラスへ移し、味を確認します。
△ワインは素晴らしい状態です。
■デカンタージュ:ライトは先につける。パニエからビンをゆっくり取り出しデカンタージュする。光源で澱を確認し澱がなければ注ぎきる。澱があれば見えた時点で注ぐのをやめる(約1cm)
- 澱がない場合「△澱はございませんでした」
- 澱があった場合「△少々澱がございました」
■注いだビンはコースターに置く。デカンターとリトーを左手、コルクを右手に持ちホストへコルクを提供する。
△コルクでございます。
■ホストのグラスへ、テイスティング分のワインを注ぐ。
△お味見をお願いいたします。(試験官うなずく)
■ホストへサービスする。デカンターをコースターへ置く。
(※おそらく試験当日はホスト1名(試験官)に対してのサービスとなります)
ゲスト分も用意するという指示が事前にある場合はホストへ味見を確認していただき、次にゲストへサービスします。その後ホストへサービスの順番になります。
△ごゆっくりどうぞ。
■ライトを消して、サービストレイを持ちながらお客様の了承を得てコルクを下げる。
△コルクはお下げしてもよろしいでしょうか。
■サイドテーブルのデカンターとワインを残して片付ける。
■ボトルのラベルがお客様へ見えるようになっているか確認し位置を調整します。
△終了しました。
以上が流れとなります。
上記の動作と言葉使いは実際にわたしが行った内容ですが参考程度にとどめていただき、自分の言葉、動作が自然と出るように練習を積み重ねてください。
また、具体的内容は試験当日、異なる可能性があります。試験内容に関しては詳しく説明があります。よく聞いて、分からないことがあれば必ず挙手して確認するようにしてください。
サービス実技YouTube動画
この動画では説明してきた内容をまとめ、実際にサービス実技を行っているので参考にしてください。
読者さんからの質疑応答
ソムリエ試験の記事や動画を見た人から、質問をいただいた内容についてお答えしています。
お答えする内容に関しては2020年に私が受けた試験内容を元に説明しますので、内容に関しては変更されている可能性もあります。その点はご了承ください。
指定のワイン以外は用意されていませんでした。受験者の数以上のワインは置いてありましたが、他の種類のワインはなかったので間違えることはありませんでした。
読者の方が気になったのは一人ずつセットしてあるのか、まとめて置いてあるのか、という点です。私の時は後ろの長テーブル、赤い部分2か所にまとめて置いてありました。
一人ずつセットしてるのではなくデキャンタはデキャンタ、グラスはグラス、という感じでセットしてあり各自が必要な分をトレンチにのせて持っていきました。なので器具の取り忘れがないように注意することが必要です。
まとめ
ソムリエ三次試験、サービス実技は何度練習して挑んでも緊張はすると思います。
しかし練習しなければその緊張に勝つことはできません。当日に頭が真っ白になったとしても体が覚えているぐらい何度も練習してください。
ソムリエ試験は長丁場の試験です。
1年以上の計画で挑戦している人も多いと思います。わたしは約1年半、独学で勉強しました。
合格後、実店舗でシェフ兼ソムリエとしてお客様の前に立っています。
ソムリエ試験に受かれば間違いなく見える景色は変わります。
ワインのことだけでなく自信もつきます。ここまで来たら必ず合格してください。
そして合格後もワインの魅力を広げてほしいと思います。
この記事がすこしでも役に立てば幸いです。
(※:当記事は私見による見解です。ご理解のほど、よろしくお願いいたします)
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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